■final D7000■
新開発ピナ アライン ディフューザー搭載D8000とは異なるアプローチによる新たなフラッグシップヘッドホン
▼製品情報
D7000は、D8000の開発当初から、理想的な構造設計の一つとして長期にわたって検討されてきました。新しい「ピナ アライン ディフューザー」(Pinna-Align Diffuser)の開発と、より高効率な「AFDS:エアフィルムダンピングシステム」を搭載したドライバーの開発を経て、D8000およびD8000 Pro Editionに並ぶ新しいフラッグシップとしてようやく製品化となりました。
平面磁界型の繊細な高域とダイナミック型の量感と開放感のある低音を両立したサウンドに加え、特に声や弦の帯域に対しての解像度が高く、艶のある滑らかなサウンドです。
また、設計全体を見直すことにより、D8000・D8000 Pro Editionと比べて約16%の軽量化を実現しています。
▼新開発ピナ アライン ディフューザー搭載
最新の音響設計が施されたプロフェッショナルレコーディングスタジオにおいてスタンダードとなりつつある拡散による音響調整の考え方をヘッドホンに投入しました。
D8000の開発初期にディフューザーを搭載するというアイデアはあったのですが、ヘッドホンのハウジング内部という特殊な条件において適切なものを開発するのには長い時間が必要でした。また、測定器による理想的な条件下での測定では良い結果が出ましたが、実際の耳で聞くと、外耳(ピナ)の形が人によって異なるため、音質に大きな差が生じました。この問題を解決するために、さまざまな外耳の形状に合わせたシミュレーションと実際の聴感実験を繰り返し行い、最終的にどのユーザーにも最適なディフューザーの形状に辿り着きました。
▼開放感と必要十分な量感のある低域
従来の平面磁界型は振幅が大きくなる低域で振動板がマグネットに接触してしまうため、ドライバーユニットが再生可能な低音の最低周波数を上げる必要があります。そのままでは不足する低音を補うため、イヤーパッド内を密閉し、振動板の前部を閉じられた空間にしています。
これはイヤーピースで密閉するタイプのイヤホンが、小さなサイズにも関わらず、低音域まで再生できるのと同じ原理です。イヤーパッド内を密閉することで低い周波数帯域まで低音を再生することができるのですが、イヤホンと同様の閉じられた空間内で再生される低音となります。
D7000では、「AFDS:エアフィルムダンピングシステム」によって、振動板がマグネットに接触する問題を解決したため、ドライバーユニットが再生可能な低音の最低周波数を下げることが可能になりました。通気性のあるイヤーパッドと併せて、優れたダイナミック型でしか実現できなかった、量感と開放感を両立した低音の再生を可能にしました。
▼繊細な高域
繊細な高域を再生するには、振動板が軽量であることが何よりも優先されます。D7000は、同じ直径のダイナミック型と比べて振動系重量が約1/3と軽量になっています。超軽量フィルムの振動板に極めて薄いアルミ箔のコイルがエッチングされる構造のため、ダイナミック型では不可欠なコイルと振動板を接着するための、音質に悪影響のある接着剤も使う必要がありません。D7000では接着剤に起因する問題を根本的に解決し、繊細な高域の再生を実現しました。
▼平面磁界型の繊細な高域とダイナミック型の量感と開放感のある低音の両立
平面磁界型の繊細な高域、ダイナミック型の量感と開放感のある低音の両立によって、D7000を使うと聴き慣れた音楽から新たな発見があり、お気に入りの音楽を次々に聴き直したくなります。優れた音質が、音楽の深いところに触れるきっかけになることを実感できる製品です。
▼より高効率な「AFDS:エアフィルムダンピングシステム」を開発
従来の平面磁界型ドライバーユニットには、振動板の振幅が大きくなる低域で振動板がマグネットに接触する問題がありました。それを解決するために、有限要素法による振動板のシミュレーションと、レーザードップラー振動計による測定を繰り返し、「AFDS:エアフィルムダンピングシステム」という新しい振動板の制動技術を確立しました。これにより、平面磁界型の弱点であった低音の再現性の低さを解決しました。平面磁界型の再発明と言える技術です。
D7000では、振動板のコイル部及びパンチングメタルの形状を再検討し、D7000の目指す物理特性に合わせてより高効率に振動板を制動させることが可能となっています。
▼長期使用を考慮し、修理を容易にする設計
購入後、末永くお使いいただくために、ほぼ全ての部品をビスで分解できる設計といたしました。修理や将来のアップグレードを可能にしています。
▼アルミマグネシウム合金切削筐体
AFDSを成立させるためには一般的なドライバーユニットに比べ、極めて高い精度が必要となります。そのため、アルミマグネシウム合金製の切削筐体は高い精度で切削されています。
▼精度を追求した自社工場生産
Dシリーズは川崎の本社内で生産を行なっています。製品組立の精度は、部品の精度と共に、組立を補助する道具である治具の精度に大きく左右されます。部品精度の僅かなばらつきを、組立てながら微調整できるよう、生産治具の設計製造を内製化しています。
また、Dシリーズのために振動板成形機といった生産機器や振動板テンションメーターといった測定器なども専用品を自社で開発しています。
本当に良いものを作り出すには、素材に近い部品の製造の過程に踏み込む必要があります。made in Japanの良さは、そうした際に素材に近いメーカーの協力が得られるところです。素材という部品の源流から製品の組立までを一貫してコントロールすることで、製品の高い品質を実現しています。
▼各種ケーブルも収納可能なプロテクトケース付属
製品は付属品と共に、持ち運びに便利なプロテクトケースに格納されています。
付属の専用キーによる施錠が可能です。
▼和紙を使用した特殊生地の新開発開放型イヤーパッド
密閉型はもちろん、オープン型と呼ばれているヘッドホンでも、多くはイヤーパッド内を密閉することで、ドライバーユニットが本来再生できない低域まで、特性上の再生周波数を延ばしています。しかし、音源が持つ本来の自然な広がりのある質の高い低域の表現のためにはドライバーユニット自身に低域まで再生できる能力があり、その上で密閉度が低く、通気性のあるイヤーパッドを使う必要があります。しかし、従来の全ての平面磁界型や一般的なダイナミック型の多くは、密閉度の低いイヤーパッドでは、低域が不足してしまいます。
Dシリーズでは、AFDSによって低域の再生帯域を延ばすことが出来たため、ドライバーユニットの能力だけで、密閉度の低いイヤーパッドでも十分な低域の再生が可能になっています。この音質に大きな影響を与えるイヤーパッドは、通気性に優れた発泡体と特殊繊維からなるDシリーズのための新規開発品です。D7000には、表面素材としてドライな肌触りと耐久性を兼ね備えた和紙を使用した特殊な生地を採用しています。また、合わせてヘッドバンド部も同様の素材を使用し、湿気に強く高い耐久性を実現しています。
製品仕様
型番
FI-D7PAL
筐体
アルミマグネシウム合金
ドライバー
AFDS平面磁界型
ケーブル
OFCケーブル6.3mm/3m
感度
89dB/mW
インピーダンス
50Ω
質量
437g
コード長
3m
付属品
着脱式ケーブル(OFCケーブル6.3mm/3m)、専用プロテクトケース、セキュリティキー